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高血圧の基準値は147/94ではありません。

 今月初め、日本人間ドック学会が新たな健診の基準範囲を発表しました。血圧の基準は上限が147/94mmHgという値でした。新聞等で見られた方は多いと思いますが、やはり多くの患者さんに「血圧の基準が緩くなったんですね」と言われました。これだけ大きく公表されれば患者さん、医師共に混乱します。高血圧学会も高血圧治療ガイドライン2014を発表したばかりで、早速コメントを出しました。高血圧学会から国民の皆様へのお願い。
 人間ドック学会の基準値はドック受診の150万人の健診データを基にその中のいくつかの基準をクリアした約1万人の超健康人の検査値から基準値を算出しています。将来の心血管イベント、腎障害予防の為の管理、治療が必要な高血圧の基準とは全く異なるものです。
 高血圧の基準値は以前と同様、診察室で140/90mmHg以上、家庭血圧で135/85mmHg以上です。但し血圧は絶えず変動しています。また年齢、既往歴、合併症、臓器障害の程度等により、治療開始時期、目標値も異なります。今迄通り家庭血圧測定を継続して下さい。また疑問がありましたら医師にご相談下さい。

 ハナミズキ満開のようです。
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高血圧ガイドライン2014。

 高血圧ガイドライン2014が公表されました。今はどの世界でもガイドライン一色ですが、そもそもガイドラインとはなんでしょか?ガイドラインとは医療医学の分野では「医療者と患者が特定の臨床状況での適切な診療の意思決定を行うことを助ける目的で系統的に作成された文書」とされています。そしてこのガイドラインはエビデンスをもとに作成されています。医療界もエビデンス一色ですが、エビデンスとは直訳は証拠、例えばある病気に対してこの治療法が効果があることを示す証拠というものです。
 例えば血圧に関していえば、昔はどのような患者さんをどれ位血圧を下げればいいのかははっきりした根拠はありませんでした。しかしここ20年~10年で多くの大規模臨床試験の結果が続々と発表され、これが証拠となり、例えば糖尿病のある高血圧の患者さんはガイドライン上診察室で130/80mmHg以下を目標としよう、ということになります。
 ガイドラインは医師の治療選択を規定するもではありませんが、医師はその内容を十分理解し、基本的にはそれに沿って、さらに個々の患者さんの背景も考慮して診療を進めることになります。
 話がそれましたが、これから高血圧ガイドライン2014の要点、2009からの変更点などを記載していきたいと思います。(待合室にもガイドライン2014を置きましたのでご参照下さい)
 
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この時期のBGM

 秋から冬にかけてBeegie Adairのjazz pianoやEnyaなどを中心に流していましたが、春となり暖かくなり最近は緩いボサノバ調のnaomi&goroがお気に入りです。naomi&goro
 The girl from ipanema(イパネマの娘)やFotografia、One Note Sambaなど誰でも耳にしたことがあるボサノバの名曲をやや緩く落ち着いて聞くことができます。
 BGMに関しては全く自己満足ですが、今迄「この曲いいですね」と言われたのは2回、「なんで音楽が流れているのか」とお叱り頂いたのは1回です。

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 昨年医院新築時に植えた植栽ですが、植えた時期が夏の猛暑の始まる時期で、枯れないよう皆で必死に水マキをしました。冬が終わり暖かくなってもまだ芽がでず、枯れたかなと思っていましたが幸いいくつかの植栽から芽が出てきました。写真はハナミズキです。これから5月にかけ緑が増えてくればと思います。

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人間ドック学会の高血圧基準範囲に関して。

 新聞やニュースで見られた方も多いと思いますが、先日、日本人間ドック学会の新基準が発表されました。血圧の新基準は上限が147/94mmHgという値です。通常高血圧の基準は140/90mmHg以上ですので違和感を感じた方も多いかと思います。
 この人間ドック学会の基準値は、大人数のドック受診者の中からいくつかの基準をクリアした超健康人を抽出し、その超健康人の基準範囲が血圧に関しては上限が147/94mmHgという値であったということです。人間ドック学会判定基準
 高血圧の基準が甘くなったと勘違いされる方もおられると思います。中には少々血圧が高くても心配ない、治療を中断してもいいかな、と思う人もいるかもしれません。このような状況にあり日本高血圧学会は声明を発表し、人間ドック学会の基準値と、心血管イベントのリスクとなり介入が必要な高血圧との基準値は意味合いが異なり、140/90mmHg以上の方や合併症があり厳格な血圧管理が必要な方は今迄通り適切な管理が必要と呼びかけました。
 血圧は常に変動しています。少し高い程度で合併症や臓器障害のない方はあまり慌てず、家庭血圧測定を継続して下さい。但し糖尿病や腎臓などの合併症のある方はしっかり下げる必要があります。疑問点などありましたらご相談下さい。

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