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安らぎのホルモン「オキシトシン」を増やす方法-4

 脳下垂体後葉から分泌されるオキシトシンは、出産時の子宮収縮、授乳時の乳汁分泌に関与していますが、最近は単なる母性ホルモンではなく、落ち着き・安らぎを導く、不安を軽減する、治癒力を促進する、等の作用をもっていることが分かってきました。そのため「安らぎのホルモン」と呼ばれることもあります。
 このオキシトシンを増やすにはどのようなことが効果的なのでしょうか?一番はスキンシップです。愛情を持つ人との、信頼関係のある人との肌と肌の触れ合いということになります。そして触れ合いの方法として様々なマッサージも効果的とされています。またイヌとの生活もオキシトシンを増やすといわれています。
 そして「食べること」、これもオキシトシンと関係しています。「食べること」は体の内側からのマッサージ、内臓からのタッチであるという考え方です(シャスティン・モベリ著 「オキシトシンがつくる絆社会」から)。タッチを感じる皮膚と胃腸などの消化管はともに受精卵の外胚葉由来で、例えば感覚神経からの情報伝達系が似ているといわれています。食べ物を食べると胃に入りさらに小腸に進みます。小腸に食べ物、特に蛋白質や脂肪が入ると腸壁からコレシストキニン等のホルモンが分泌されます。このホルモンが迷走神経を介してオキシトシンの放出を活性化します。
 例えばとてもおいしい物を食べた時、母親の手作りの暖かい食事を食べた時、また恋人との食事の時、私達は幸せな気持ちになります。また商談相手との会食で一緒に食事をすることにより信頼感が増し商談がスムースに進むこともあるでしょう。いずれもオキシトシンが関係していたわけです。
 食するものがなければ道徳はない、ドイツの作家ベルトルト・プレヒトはこのことを「衣食足りて礼節を知る」と表しています。お腹が満ちて人は優しくなれるということです。オキシトシンを感じる食生活を送りたいと思います。
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安らぎのホルモン「オキシトシン」を増やす方法-3

 脳下垂体後葉から分泌されるオキシトシンは、主に分娩(子宮収縮)と授乳(乳汁分泌)に関与していますが、単なる母性ホルモンではなく、穏やかな落ち着きと安らぎを導き、不安軽減、社会的行動を刺激、治癒力促進、学習力促進等の多くの作用をもっていることが知られるようになってきました。そして最近は「安らぎのホルモン」とも呼ばれています。
 オキシトシンを増やすにはスキンシップ(肌と肌の触れ合い)がとても大切です。大人でも子供でも愛情のこもったハグや手の温もり、優しいマッサージを受けている人は、そうでない人よりも幸福で健康で、他人と前向きにうまくコミュニケーションをとることができるようになるといわれています。例えば「早産児がマッサージを受けると早く成長し短い期間で退院できる」、「託児所においてマッサージを受けた子供のほうが乱暴がなくなり穏やかになる」等の報告が海外で多いようです。(シャスティン・モベリ著 「オキシトシンがつくる絆社会」より)
 よく出てくるこの「マッサージ」とはどんなものでしょうか。私達のイメージでは「もみほぐし」「整骨院でのマッサージ」等筋肉をもみほぐすというイメージです。もちろんこのようなマッサージも悪くはないのでしょうが、よりオキシトシンを上げるマッサージにタッチセラピーという考えがあります。触覚刺激はオキシトシンを増やすためにとても大切ですので、筋肉ではなく皮膚に重点を置くものです。例えば局所を軽くタッチする、一定のリズムでタッチする、優しく撫でる、といったものとなります。マッサージやタッチセラピーには色々な種類があるもののその効果に大きな違いがないのは手が共通の道具だからと言われています。柔らかくて暖かい手が必要になります。このような手法は我々日本人には馴染みが薄いのですが、親密な間柄の方と試してみて下さい。

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安らぎのホルモン「オキシトシン」を増やす方法-2

 オキシトシンは脳下垂体後葉から分泌されるホルモンで、出産時の子宮収縮作用や授乳時の乳汁分泌作用が知られています。しかし最近はそれ以外に、ストレス緩和、不安軽減、痛みの閾値上昇(痛みに強くなる)、他者との結びつきの増強、好奇心向上、学習力向上、免疫システムの増強なと様々な作用があることがわかってきました。最近はこの落ち着いていて安らいだ気持ちや他者との結びつきを感じること等から「安らぎと結びつきのホルモン」と呼ばれることもあります。
 それでは私達が日常生活でオキシトシンを少しでも増やすにはどうしたらよいのでしょうか?一番は肌と肌の触れ合い、すなわち「スキンシップ」です。そしてイヌとの生活がオキシトシンを増やすことが分かっています。
 イヌを飼って一緒に生活している人は飼っていない人に比べて一般的に健康であるという多くの論文があるそうです。イヌは人間に有益な効果があるので医療の分野でも使用されるようになってきました。こども病院や高齢者施設でのセラピー犬についてテレビ番組などで放送されることが多くなったと思います。
 イヌと一緒にいること、イヌと触れ合うこと(イヌを撫でるとイヌは気持ちよさそうにしますが実は撫でている人のほうも気持ちよくなります)、そして互いを分かりあうことでオキシトシンが分泌されます。少量の分泌でも長期間持続するため健康促進効果をもたらすと考えられています。しかしネコではこのような効果は認められないようです。これはネコは人からやや離れた所にいることが多く、イヌほど人と密接な関係には至らないからのようです。(ジャステイン・モベリ著:「オキシトシンが作る絆社会」から)
 諸事情がありますから「是非イヌを飼って」とはいえませんがなるほどなと思います。

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安らぎのホルモン「オキシトシン」を増やす方法-1

 安らぎホルモン「オキシトシン」は脳下垂体後葉から分泌され、出産時の子宮収縮と授乳時の乳汁分泌を司る物質です。しかし近年それ以外の場面で女性のみならず男性においてもオキシトシンが分泌されることが分かってきました。
 実験でオキシトシンを動物に注射すると、母性行動をとる、つがい(動物の雄、雌の一対)の形成が促進される、個体間の接触が増える、争いが減る、不安が減り大胆さと好奇心が増す、痛み感覚が減少する、鎮静・睡眠の効果、学習の促進等が証明されています。
 私達の日常生活でのオキシトシン効果とは、「安らぎと結びつき」ということとなります。安らいだ気持ち、落ち着いた気持ち、不安が軽減していく、他者との結びつきを感じる、等の表現になると思います。今まで述べてきた副交感神経系やセロトニンの作用と似ている点も多く、またこれらはお互い密接に関係しています。
 それではオキシトシン分泌を増やすにはどのようなことが効果的なのでしょうか?一番はタッチ・スキンシップ(肌と肌の触れ合い)となります。一番最初のタッチは母親が生まれたばかりの子供を抱いた時、その後の授乳の時となります。授乳時のオキシトシン効果は長期に持続して母親の子育てを支援するようです。一般的には「しっかりとした握手」、「ハグ」、「肩を叩く」、「背中をさする」、「ペットを撫でる」、「マッサージを受ける」等でしょうか。
 そういえばこれらの行為は以前述べた「セロトニンを増やす方法」とほぼ同じです。この二つの関係はどうなっているのでしょうか?セロトニンもオキシトシンもタッチ・スキンシップで増加します。セロトニン神経にはオキシトシンの受容体も存在します。すなわちオキシトシンが増えればセロトニンも増える、ということになります。
 いずれ快い触覚刺激はオキシトシンを増やし、安らぎ・心地良さを感じさせてくれます。しかし人によってはタッチが不快に感じるかも知れませんし、不快な刺激では全く逆効果となりますので注意しましよう。

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安らぎのホルモン「オキシトシン」について-2

 脳下垂体後葉から分泌される「オキシトシン」は本来、出産(子宮収縮)と授乳(乳汁分泌)に関与していますが、一方で脳内の神経細胞間で情報を伝達する神経伝達物質であるということが分かってきました。オキシトシンは特に私たちの「心」に影響を及ぼす物質といえます。
 具体的には、ストレスを緩和する、「ほんわか」落ち着いた心理状態をつくる、不安や恐怖を軽減する、男女の愛情を育む、他者との絆を強くする、人間関係を円滑にする、等の作用が認められています(有田秀穂著、「癒しの脳内物質・オキシトシンが心を満たす」から)。
 その他、自閉症に関連する症状を緩和する効果、学習能力を向上させる効果、動脈効果を予防する効果、消化促進効果、脂肪燃焼を促して体重を減少させる効果、等が各種動物実験、臨床研究から報告されています。
 私達の日常生活の中で、オキシトシンを少しでも増やすことが出来ればと思います。これは副交感神経を上げる、セロトニンを増やす、といったことと密接に関係していますし、また相乗効果も期待できます。
 それでは以前述べてきた「幸せ物質・セロトニン」と、この「安らぎと結びつきのオキシトシン」はどのように違うのでしょうか。どちらも「人との触れ合い」で活性化し、もっとも人間らしい「共感脳」に関与しています。セロトニンは人間の脳で最も古い脳幹部で合成されます。一方オキシトシンはより進化した視床下部室傍核で作られます。セロトニンはリズム運動などにより得られる幸福感、雑念が取り払われ穏やかな心になっている状態。オキシトシンは人との繋がりを感じてじんわりあたたかい幸福感、ということになるようです。同じようですが、セロトニンは動物的、オキシトシンは人間的でしょうか。
 この辺も感じて頂ければと思います。

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安らぎのホルモン「オキシトシン」について-1

 最近「オキシトシン」という言葉を耳にすることが多くなりました。今迄のセロトニンのお話の中でも時々オキシトシンという言葉が出てきていたと思います。
 オキシトシンとは脳下垂体の後葉から分泌され血中に流れ出るある種のホルモンです。また脳内神経伝達物質としての働きも分かってきました。血中に流れ出たオキシトシンは出産時に子宮を収縮させ、授乳時に乳汁を分泌させる作用があります。ですから女性の出産、授乳に関係しているもので、それ以外の働きはまったく知られていませんでした。
 しかし最近微量なオキシトシンが測定できるようになり、多くの研究がなされオキシトシンは単なる母性ホルモンではなく、落ち着き、不安の軽減、治癒力促進等、安らぎ作用等の調整役であるということが分かってきました。
 オキシトシンは
 ●ストレス時のコルチゾール上昇を抑える。
 ●交感神経系を抑制し、副交感神経を高める。
 ●ドパミン神経系(報酬系)、セロトニン神経系(幸福感)も調整する。
 ●内因性オピオイドの機能に影響し鎮痛効果を発揮する。
 ●他者との様々な関連性に関して放出され、他者の識別、記憶、寄り添い、結びつきの関係を永続的なものとする。
 (シャスティン・モベリ著「オキシトシンがつくる絆社会」より)
 等の作用です。
 今迄述べてきた自律神経(交感神経・副交感神経)やセロトニンとも密接に関係していますし、その作用は似ているところが多くあります。少し難しいお話ですが、オキシトシンを理解して頂き、日々の生活の中で少しでもオキシトシンを増やすことが出来ればと思いますのでこの辺も述べていきたいと思います。

 お盆も過ぎて朝夕は涼しい風が吹くようになりました。しかし日中は暑く、昼夜の寒暖差が目立ちます。風邪を引きやすい状態ですのでご注意下さい。

広重 花火
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