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特殊な高血圧を除外する。

 家庭血圧を朝、夕と測定し、血圧値はどれ位あったでしょうか?

診察室で何回か血圧を測り、また家庭で朝、夕測定した血圧が基準値を超えていれば高血圧となります。

高血圧には大きく分けて、本態性高血圧と2次性高血圧があります。

●本態性高血圧とは
遺伝的素因があり(ご両親の両方もしくは片方に高血圧がある)、そこに加齢、塩分過多、喫煙、飲み過ぎ、ストレス、体重増加、過労など様々な要因が加わり、40歳前後(30歳~50歳程度と幅はあります)から徐々に血圧が上がってくる高血圧のことをいいます。原因が一つに特定できない(様々な要因が複雑にかみあっている)ので本態性とよんでいます。高血圧の9割はこの本態性高血圧といわれています。

●2次性高血圧とは
腎臓の病気、副腎の病気、腎臓血管の病気、甲状腺の病気など、主に腎臓やホルモンの異常による高血圧を指します。なぜ2次性高血圧の評価が必要かというと、これらの中には手術などで治る高血圧があるからです。

 特に副腎(腎臓の頭側にある親指大の臓器で生きるのに必要な各種ホルモンを作っています)に腫瘍ができ、この腫瘍から血圧を上げるホルモン(アルドステロン、カテコールアミンなど)がたくさん分泌されている場合には手術が必要なこともあります。
これらの病気は非常に希なものとされていましたが、近年アルドステロン産生腺腫による原発性アルドステロン症という病気は実は少なくないことがわかってきました。

 ではどういう場合にこれら副腎性の高血圧を疑うのでしょうか?
以前は、高血圧の家族歴がなく、若くして発症した高血圧で、高血圧性の臓器障害が目立ち、薬剤抵抗性(薬が効きにくい)の場合に疑いました。これは今でも同じと思います。しかしホルモンの値は採血して測定してみないとわかりません。

 基本的に私は初めて高血圧で受診された患者さんには一通りホルモン値(レニン活性とアルドステロン濃度、要すればカテコールアミンなど)の採血測定を行っています。血圧の治療を既に受けている方でも、薬剤抵抗性であったり、臓器障害が目立ったり、なんとなくおかしいかな(この辺は勘のようなものもありますが)と思ったときは採血して評価するようにしています。

 値が正常であればそのまま本態性高血圧として管理していきます。値が異常値であれば(ホルモンは日内リズム、体位、塩分摂取量、ストレスなど多くの因子で値が変動しますので評価は簡単ではないのですが)、時期をみて再検査、やはり疑わしければ精査目的のため専門施設に紹介することとなります。

 これら特殊な高血圧が隠れていないか疑うことは必要ですが、一番大切なことは血圧をきっちりと下げることに変わりはないと思います。

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